設立の経緯

 我が国における新型コロナウイルス感染症への対応を通じて、次の感染症危機に備え、感染の初期段階から、より迅速に、より効果的に対策を講ずるための司令塔機能の強化の必要性が認識され、2022年6月、政府は感染症危機管理体制の強化に関する方針を示しました。


 この方針では、政府の司令塔機能を担う組織として内閣官房に内閣感染症危機管理庁(仮称)を設置すること、厚生労働省の組織を見直して感染症対策部を設置すること、さらに、感染症に関する科学的知見の基盤・拠点機能等を強化するため、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合した新たな専門家組織を創設することが示されました。


 2023年6月には「国立健康危機管理研究機構法」が公布され、設立に向けた具体的な準備が本格化しました。2024年4月、厚生労働省に設置された国立健康危機管理研究機構準備委員会において、新機構の将来ビジョンと組織再編の基本哲学等をとりまとめ、これに基づき準備が進められました。


 こうした経過を経て、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターは統合され、2025年4月1日、国立健康危機管理研究機構(JIHS:Japan Institute for Health Security)が発足しました。


 JIHSは、政府に科学的知見を提供する専門家組織として、情報分析、研究、危機対応、人材育成、国際協力及び医療提供を一体的・包括的に推進します。政府における感染症危機への対応にかかる司令塔機能の一角として、政策ニーズに沿った科学的知見を提供する組織を発展させていくことが求められています。


 具体的には、発足と同日付で厚生労働大臣より指示された中期目標に基づき、以下4つの機能を発揮するための取組を進めています。


●情報収集・分析、リスク評価機能:
 サーベイランスや情報収集・分析の実績、国内外の関係機関との協働・連携により、感染症インテリジェンスにおけるハブとしての役割を担います。科学的知見を政府に迅速に提供するとともに、国民に分かりやすい情報提供を行っていきます。

●研究・開発機能:
 平時より世界トップレベルの研究体制を確保し、基礎研究、シーズ開発から臨床試験まで一気通貫の研究戦略によってワクチンや治療薬の速やかな実用化を推進します。感染症危機の際には、国内外の機関等と連携し、臨床試験を含め研究開発のネットワークハブとして迅速に対応します。

●臨床機能:
 感染症危機にJIHSの持つ機能を十分に発揮するためには、高度な臨床能力と有事に対応できるサージキャパシティ(緊急時の受入・対応能力)の確保が不可欠です。そのため、国立国際医療研究センターが担ってきた総合病院機能を引き続き備え、さらに強化していくことにより、人々の健康を守ります。

●人材育成・国際協力機能:
 産官学連携や国際的な人事交流などを通して、医療従事者・研究者・公衆衛生実務者など多様な専門家の育成・確保に努めます。また、四十年近い歴史を持つグローバルヘルスに貢献する国際協力を進めていきます。


JIHS設立記念式典

【関連資料】

○国立健康危機管理研究機構法(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=78ab9092&dataType=0&pageNo=1) 厚生労働省HPより

○国立健康危機管理研究機構の創設に向けて ~感染症に不安のない社会を実現するために~
   [本文](https://www.jihs.go.jp/content4/20250411_01.pdf) 
   [別紙](https://www.jihs.go.jp/content4/20250411_02.pdf

○国立健康危機管理研究機構 第一期中期目標・中期計画
   [中期目標](https://www.jihs.go.jp/aboutus/010/Mid-term_goals.pdf) 
   [中期計画](https://www.jihs.go.jp/aboutus/010/Midterm_Plan.pdf